第3回目を迎えるアジアヨーロッパミュージックキャンプ「I’mPULSE」。
シンガポールを拠点とするアジア欧州基金が文化交流を目的に開催するイベント。今回のI’mPULSEは、海外から25名のDJ、メディアアーティストが参加し、レコードスワップと呼ばれる交流を通じて、十数カ国に及ぶ世界各国のDJスキルを共有し実験的な作品を制作する。真鍋大度は日本人DJとして参加し、プログラミングを駆使したDJingの可能性をワークショップ、レクチャーで提示し、全6回のパフォーマンスを行い、イギリス、スペイン、中国のメディアに取り上げられた。

詳細
Ms.Pinkyを用いたパフォーマンスを中心に行い、レクチャーでは以下の様な現在のインフラにおけるDJingの問題点を提起した。
選曲する際の大量の楽曲から何を選ぶかという課題は、アナログからデジタルへの変容によって情報量が膨大に増えたため、データベースや検索エンジンの思想や技術がDJingにも適応出来る様になったと考えられる。タグ付けを行うためには楽曲の数は膨大過ぎるため、学習機能やスマート選曲機能等、通常のプレイや、プレイするための楽曲を選んでいる作業から検索のためのデータを抽出するためのシステムを備えたアプリが今後出て来るだろう。何万曲というデータにタグを付けて行くのは非常に効率が悪いと思われる。Mixの技術はアプリケーションの進化により、自動処理が可能となったため、現状のDjingではあまり評価されなくなりつつある。実際に、ラップトップを用いたプレイでミックスを失敗している様子を見る事は少ないだろう。ピッチが揺れている生々しいミックスや、レコードを選んでいる仕草等失われつつあるDJの重要な要素を見直す事も必要かと思われる。